頭金無しで家を買いたい。そのリスクと買い方とは。

こんばんは。

最近というか10年ほど前から、不動産会社の広告等で「頭金無しで家が買える」という謳い文句をよく見かけます。

しかし、住宅購入に関する本やインターネットのブログ記事の中では「頭金は必要」・「自己資金は必要額の2割程度を用意しましょう」と書かれているものが多いです。

不動産会社は嘘をついているのでしょうか?

今回は「頭金無しで住宅を購入する場合のリスク」と「頭金無しでも住宅を購入する方法」について解説していきます。

頭金が必要な理由と頭金無しで購入する場合のリスク。

1、以前は物件価格の満額まで融資を受けることができなかったため。

私が不動産業界に就職した約15年前は、住宅ローンは物件価格の8割から9割までしか融資してくれませんでした。

不足している残りの1~2割部分と諸費用に関しては、現金で用意していただくか「諸費用ローン」という形でもう1本ローンを組む必要がありました。

また、さらに遡れば、諸費用ローンさえ存在しない時代もあったため、必然的に現金=頭金を用意しなければ住宅を購入することはできませんでした。

金利も今より高かったため、住宅ローンの借入金額を抑えた方がお得でもありました。

その時代の名残があるためか、我々のお父さん世代の方に相談すると「頭金が必要だ」との回答が返ってきます。

ファイナンシャルプランナーなどの専門家の中でも、お年を召されている方などは頭金の必要性をアドバイスされる方が多いです。

2、住宅ローンが残っている状態では、家は売れないから。

もし将来、何らかの理由で購入した住宅を売らなければならなくなったとき、住宅ローンが残っていたら売ることはできません。

残っている住宅ローン以上の金額で売ることができるのであれば問題は無いのですが、売却価格が住宅ローンの残額を下回ってしまった場合は、

現金を投入するか、引越し先の新しい家で借換え用の住宅ローンを組んで住宅ローンを完済しなければ、その家は売ることができません。

ようするに、住宅ローンを借りている金融機関が「抵当権」の抹消を許可しなければならないからです。

抵当権が付いている物件は売れません。

将来、確実に資産価値が上がるような好条件の物件であればリスクは低いのでしょうが、

なかなかそのような物件は見つかりません。

もし、今後購入を予定している住宅が、将来的に手放す可能性があるのであれば、

少しでも頭金を充当して、住宅ローンの金額を抑えることをおすすめします。

3、住宅ローンの借入が増え、金融機関に支払う保証料も高くなるから。

当たり前のことですが、頭金を用意しない場合は住宅ローンの借入金額は多くなります。

借入金額が多くなれば、返済比率も厳しくなります。

特に、栃木県内でよく利用される「足利銀行」や「栃木銀行」に代表される地方銀行は、

返済比率に余裕のない方には、保証料を高く設定する傾向があります。

保証料が高くなれば、その保証料を支払うためにさらに住宅ローンの金額を増やすか、

保証料を金利に上乗せして、月々の支払い負担を増やす方法を選択することになります。

どちらにせよ家計の負担は増加します。

以上が、私が考える「頭金」が必要とされる理由です。

頭金無しで住宅を購入する方法。

頭金無しでも住宅を購入することは、それほど難しいことではありません。

私の経験上ですが、価格が比較的安い建売住宅では、お客様の3分の2以上は頭金無しで住宅を購入しています。

今は、ほぼ全ての銀行が諸費用まで住宅ローンとして貸してくれます。

金融機関(特に地方銀行)によっては現在所有している車やショッピングのローンや、これから所有する予定の車の取得費まで、諸費用として住宅ローンに組み入れることができます。

返済比率さえ金融機関が指定する枠内に収まっていれば、それほど難しいことでは無いです。

また、引っ越し代やエアコン等の家電代を諸費用として認めてくれる金融機関もありますが、

認めてくれない金融機関もあります。

カーテンレールはOKでも、カーテンは駄目とか、テレビアンテナはOKでもテレビは駄目とか。

金融機関によって扱いが異なるため、必ず事前に確認しましょう。

特に地方は利用できる金融機関が首都圏より少ないため、確認を怠らないようにしましょう。

まとめ。

いかがでしたでしょうか。

頭金無しでマイホームを購入すること自体は可能です。

しかし同時にリスクを認識し、それを将来的に負わないようにする工夫も必要になります。

より良いマイホーム購入に繋げるために、自分たちの現状と将来のライフプランを確認しましょう。