団信の選択が銀行の選択になる。団体信用生命保険について解説する。

こんばんは。

金融機関で住宅ローンを借りる場合、団体信用生命保険(以降、団信)には加入しなければなりません(フラット35を除く)。

今や銀行の貸出金利には、各金融機関ごとに大きな差は無くなっており、住宅ローンを借りる人からは、「どの銀行で借りても同じでしょ。」といった声もちらほら聞かれます。

このような中、各金融機関は団信の商品内容に違いを出すことにより、顧客の獲得をおこなっています。

本日は、金融機関の専用商品である団信について、解説していきます。

団体信用生命保険とは。

団信とは、住宅ローン返済中に、万が一借り入れた方が亡くなるか高度障害になって場合、住宅ローンの残債が払われる生命保険です。

遺された家族にとっても、住宅ローンを貸している金融機関にとってもメリットがあることです。

団信の種類として代表的なものは「通常の団信」・「三大疾病特約付き団信」・「八大疾病特約付き団信」などがあります。
それでは、それぞれどのような保険内容なのかを見ていきましょう。
「通常の団信」
通常の団信は、債務者が亡くなるもしくは高度障害になったときに残債が完済されます。
高度障害の内容としては、以下の7つに該当した場合になります。
・両目の視力を全く失ったもの
・言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
・中枢神経・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
・両上肢とも手関節以上で失ったかまたはその用を永久に失ったもの
両下肢とも手関節以上で失ったかまたはその用を永久に失ったもの
 
・一上肢以上を手関節以上で失い、かつ、一下肢を足関節以上で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの
 
・一上肢の用を全く永久に失い、かつ、一下肢を足関節以上で失ったもの
 
高度障害とは非常に重い障害状態であり、その後の生活に重大な支障をきたす状態のこととご理解下さい。
 
団信の保険料は金利に含まれています。
 
フラット35を利用する方で、団信を付けないという選択をする方は、金利がマイナス0.2%になります。
 
「三大疾病特約付き団信」
 
三大疾病付特約付き団信は、債務者が死亡や高度障害になったときに加え、三大疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中)で所定の状態になったときにも残債が完済されます。
所定の状態に関しては、金融機関(団信を引き受けている保険会社)によって異なります。
保険料は金利に上乗せされます。年0.2%程度上乗せされる金融機関が多いです。
「八大疾病特約付き団信」
八大疾病特約付き団信は、債務者が死亡や高度障害になったときに加え、三大疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中)と五疾患(糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性膵炎・慢性腎臓病)で所定の状態になったときにも残債が完済されます。
 
八大疾病特約付き団信も、所定の状態に関しては、金融機関(団信を引き受けている保険会社)によって異なります。
保険料は金利に上乗せされます。年0.3%程度上乗せされる金融機関が多いです。

金融機関は差別化を図るために、団信に特色をだしている。

 

冒頭にも述べましたが、マイナス金利が導入されている現在、各銀行は金利面での大きな差別化を図ることが難しくなっているため、金利以外の商品内容でその銀行の特色を出してきています。

その代表が団体信用生命保険です。
ちなみに、栃木県を代表する地方銀行の「足利銀行」の場合、通常で保障内容が3段階にわかれている(金利が異なります)八大疾病特約が付けられています。
ネット銀行の「auじぶん銀行」も、債務者の保険料負担無しで、がんと診断されたら残債が1/2になる保障がついています。
例をあげ続けたらきりがなくなるので2行だけにしますが、銀行によって様々な特約が付いた団信が増えてきています。
女性専用の団信も登場してきているため、今後も様々な商品が登場してくることが想定されます。

まとめ。

いかがでしたでしょうか。
団信の保障内容の変化はかなり早いです。
ここで書いた内容も1年後にはちょっとした時代遅れになっているかもしれません。
それだけ、銀行は団信に力を入れてます。
銀行によって加入できる団信が異なるため、金利やネームバリューだけではなく、団信の内容によって住宅ローンを組む銀行を選んでみるのも、考え方としては「あり」だと思います。