住宅ローン返済中の不安。病気やケガで休職の際の保障について。

こんばんは。

住宅ローン借りる方の中には将来的に病気やケガをした際の心配事として、医療費の負担以外にも、「仕事を休んでしまうと収入が減少して、住宅ローンの支払いが滞ってしまうのではないか」という生活費の不安をあげる方も多いです。

働かなければ給料は入ってきませんが、会社員の方であれば仕事を休んだからといっていきなり収入がゼロになることはありません。

健康保険法や労働基準法などによって生活が守られているからです。

今回はこれらの制度についてひとつずつ解説していきます。

有給休暇

まず第一の選択肢は、有給休暇の取得です。

有給休暇の日数は勤続年数により異なります。

例えばですが、入社から6年6ヶ月経った社員には年間20日付与されることが法律で決められています。

有給休暇の取得時効は2年間です。

有給休暇の取得理由に制限はなく、病気やケガで休んだ場合には有給休暇を申請するのが一般的です。

疾病手当金

つぎに、療養期間が有給休暇の総取得日数より長くなってしまいそうなケースについて説明していきます。

会社員の方が加入している健康保険には「疾病手当金」という制度があります。

長期に渡り病気やケガで仕事に就けなくなったことで給料が支払われなくなった場合、その間の生活の保障をしてくれる所得保障の制度です。

連続しての3日間を含み、4日以上仕事を休むと「疾病手当金」の給付対象になります。

支給額は1日につき、標準報酬日額×2/3を受け取ることができます。

日給1万円なら6,666円、月給30万円なら20万円という計算になります。

支給期間は最大で1年6ヶ月です。

最近では、精神疾患で利用している方も増えてきています。

精神疾患は長期の療養になりやすいため、1年6ヶ月の期間は貴重です。

「疾病手当金」は会社に申請しなければ給付を受けることができません。

もし、長期の療養が必要になってしまった場合は、必ず勤務先に相談し「疾病手当金」の給付金を申請しましょう。

「疾病手当金」は意外と知られていない制度ですが、病気やケガ等で会社を長期に渡って休むことになってしまう場合には、かなり有効です。

障害年金

「障害年金」とは病気やケガで生活や仕事ができなくなった場合、年金や一時金で給付される国の公的年金です。

年金には1級から3級まであり、障害の重さによって認定される等級が異なります。

年金の給付金額は1級が一番多くなります。

年金に該当する障害よりも軽い障害が残った場合には、一時金として障害手当金を受け取ることができます。

「障害年金」には基礎年金と厚生年金があります。

このへんは老齢年金と同じシステムです。

基礎年金は1級と2級の障害に該当しなければ支払われませんが、会社員の方などが加入している厚生障害年金は3級と一時金に対応しています。

自営業の方よりもサラリーマンの方のほうが、障害年金の支給のハードルが低いといえます。

支給額は収入によって異なるため正確な金額の算出はできませんが、概算の月平均としては、

・1級 約16万円程度

・2級 約12万円程度

・3級 約6万円程度

と、言われています。

「障害年金」申請の手続きは複雑なため、請求可能な症状なのに請求されてないケースが多いようです。

給付専門の社会労務士の方もいらっしゃるので、多少費用は掛かりますが相談して申請を任せるのも良いかもしれません。

ちなみにですが、「疾病手当金」と「障害年金」は併給できません。

どちらか金額の高い方が優先的に支給されるため、一般的には「疾病手当金」が優先されます。

「障害年金」は「疾病手当金」の支給期間が満期を迎えた後に、支給を申請することになるかと思います。

就業不能保険

「就業不能保険」とは、病気やケガによって働けなくなってしまった時に、毎月のお給料のように収入をカバーすることができる民間の保険です。

保険金は月に10万円から30万円程度が一般的です。

「就業不能保険」は就業不能状態になってから、60日から180日まで(この日数は保険会社によって異なります)給付を受けることができない免責期間があります。

保障は60歳前後まで受けられるため、「疾病手当金」よりも長期間保障を受けることができます。

保険料は基本的に掛け捨てです。

長期の療養が想定される精神疾患については免責事項にしている会社が多いため、加入する際に確認するようにしてください。

「疾病手当金」や「障害年金」だけでは生活費に不安が残る場合は、「就業不能保険」はリスクの保全として有効な手段となりそうです。

まとめ。

いかがでしたでしょうか。

長期療養に対する不安は、多かれ少なかれ誰にでもあることだと思います。

日本は世界的にみても、公的セーフティーネットや民間の生命保険の充実度は世界の中でもトップクラスです。

このような制度や保険を知っていれば、万が一の状況に陥った場合でも、冷静に対応しリスクを最小限に抑えることができるでしょう。